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しばらくベッドの上に座って待っていると、暖かく濡らしたバスタオルを持って浦野が部屋に入ってきた。
シャツを捲りあげられそうになったので思いっきり手を叩き落とす。いくらなんでもそこまでしなくていい。
「自分でやる」とだけ言ってシャツを脱いだ。
外気に触れる肌が熱い。38度もあれば当然なんだろうけど。
「スポドリここに置いときます。ちょくちょく様子は見にきますけど、何かあったら遠慮なく呼んでくださいね」
「分かった。ありがとう」
「それじゃあ。ゆっくり寝てくださいね」
「ああ」
バタンと音をたてて閉まった扉を見つめながらぼふんとベッドに倒れ込む。
足元に瑛太からもらったぬいぐるみが置いてあるのが目に入った。
引き寄せて抱きしめる。ふわふわしてて気持ちいい。
「頭いてー……」
一応薬は効いてるんだろうけど、それでもまだ痛いとは。
なかなか眠れずに何度も寝返りを打つ。
時間だけが刻々と過ぎていって、気づけば1時間近く経っていた。
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