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「兄弟?慧介と……環が?」
「そう。……やっぱ知らなかった?」
「母さんとも連絡とってないし、慧介の連絡先も知らないから……。あ、え、そうなんだ?」
珍しく動揺を顕にしている瑛太はしきりに瞬きを繰り返す。
自分の実の弟が友達と兄弟になったって言われたんだ。無理もないだろう。
ぶっちゃけ俺もまだびっくりしてるし。
しばらくしたら落ち着いたらしく、アイスコーヒーを一口飲んだ瑛太が感心したようにぽつりと呟いた。
「世界って狭いんだなぁ」
「……それだけ?」
もっとこう、他にないんだろうか。
「えー、じゃあ母さんに結婚おめでとうって言っといて。あとウチのこと訊かれたら3年前に再婚してるよーとだけ」
「いやそれ自分で言うべきだろ」
「だよな」
へらっと笑った瑛太の表情に変わりはない。
それに対し困惑していると、瑛太は「ひとつだけ訊いていい?」と尋ねてきた。
「どうぞ」
「慧介と知り合いみたいだけど、あいつとは上手くやれてる?」
その言葉に即答はできなかった。
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