「なまえ」

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「まずはー……そうだ、誕生日はいつですか?」 「えっ、と……5月2日だけど」 「はやっ!しかももう過ぎてるし」 「そういう浦野は?」 「8月2日ですよ。ちょうど先輩の3ヶ月後ですね」 突然話を振られて戸惑いながらも答えていく。 他には簡単なプロフィールとか当たり障りのないことを。 こいつがA型だったのはちょっと意外だった。 「先輩は趣味とかってあるんですか?」 「一応。料理が好きだけど、どちらかというと特技になるかなぁ。父さんとふたりのときは毎日やってたし」 「先輩のお弁当おいしかったですよ。ね、今度ラザニアつくってくださいよ」 「ラザニアが好きなのか?いいよ、別に」 風邪を引いたときに看病してくれたお礼がまだだし。 ただ、あまりつくったことのない料理だからレシピが残ってるかは分からないけど。 なかったら調べるなりなんなりすればいい。現代にはインターネットという大変便利なものが存在してる。 そこで家の前に到着。 ノブを捻るとドアはあっさり開いた。 帰ったことを知らせて玄関に入ろうとしたとき、不意に腕を引っ張られた。 振り向くと嬉しそうな顔をした浦野が瞳を輝かせている。 「約束ですよ。絶対ですからね」 「はいはい、分かったよ」 あれ、もしかしてちょっと兄弟っぽい?
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