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そんなこんなで、私、山野紅葉は17歳になりました。
えっ?
あの後、黒須とどうなったかって?
それは......言いたくありません。
まぁ、私と黒須の関係は、解くべき謎の一つということにしておきましょう。
......謎解きのヒントを与えるとすれば、黒須はここにいないということ。
そして私に彼と連絡を取る手段はなく、私にそうする気もないということです。
とにかく私は彼に会えない。
どれほど「会いたい」と願っても――
今の私と昔の私、変わったことと変わらないことがあります。
変わらないことは、掃除当番をやらされる学級委員長ということ。
変わったことは、友達が出来たこと。
それと、自分でいうのもなんですが......
そこそこモテるようになったことです。
デート行っても、校則がどうのとか、時間がどうのとか、五月蝿く言う女はかなり面倒くさい筈なのですが、何故か「古風で良い」とか「大和撫子」とか、訳の分からないお誉めの言葉を頂きます。
......わざと嫌われるようにやってるのに、嫌いになってくれない。
あの時は上手くいったのに……
だから私は最後の切り札を出してあげるの。
「ごめんなさい。
やっぱりあなたのこと好きになれない」
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