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『えーっと……母さん?
いったい何の特訓なの?』
一番上の兄が戸惑いながら声をかけた。
そりゃあそうだ。突然言われても対応できない。
『貴方達には将来魔法学校に入学してもらうつもりでいるの。
だから人族に変化できるようにこれから猛特訓してもらいます!』
魔法学校というものは人族や魔族の一部が通う学校で、主に魔法の制御や社会について学ぶ場所。
そこに通うの?僕らが?
『でも母さん、僕らは妖狐族だよ?バレたら殺されちゃうかもしれないよ……』
僕のひとつ上で四男のお兄ちゃんが弱々しく呟いた。
でも僕もそう思う。他の人にバレたら大変な目に遭うだろう。
『……そうね。でも貴方たちならそれを乗り越えれるはずよ。
そのためにも人族な中で生きていく術
スベ
も叩き込んでいくわ!』
『……程々にな。』
父さんはどこか諦めたような目で見ていた。
…………………………過去に何かあったんだろう。あえて触れないでおいた方がいいかな。
母さんの特訓は鬼畜だった。
でもそのお陰で変化できるようになったのは特訓を初めて一年たった冬からだった。
その頃には僕は人族で言う14歳になっていた。
学園に入るまであと少し━━━━
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