お出かけ

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━━その様子をある少年が見ていた。  そして少年は慌てて自分の父のもとへ走っていき、少年が見たままの景色を話した。 「お父様!お父様!」 「ウィル?どうしたんだそんな血相を変えて。」  少年の名はウィルド・フェアフュールング この町の領主の息子である。 「女の子が、僕と同い年くらいの子が最近裏で奴隷を売ってる商人って疑われてる人に誘拐されてっちゃった!  凄く綺麗な子!金髪で、毛先が茶色で、右目が赤、左目が金色の子!  助けてあげて!」  普通の誘拐なら警護班に連絡すればいいのだが、この町で奴隷を売ってると疑われてる商人が絡んでいるのなら話は別だし、何より大事な息子からの願い事だった。 ウィルドの父、イシュカ・フェアフュールングは直ぐに奴隷市の開催場所と言われている場所に急いだ。  ここ、どこだろう………  僕は今目隠しをされて手足を縛られている。 先程目を覚ましたとき、怪しげなお兄さんに変な香水を嗅がされ、頭がぼんやりするし耳と尻尾が出てしまった。  お陰で周りからは珍しげに見られている。  母さんのもとに帰りたい………… 寂しさを紛らわすために目をギュッと瞑った。 ━━━暫くして、横たわっていた地面が動いてることに気がついた。  もしかして何か荷台の上にでも乗っていたのだろうか? 声を出そうにも出せない…… 『さあ!お次は今回の目玉商品!  なんとなんと!あの妖狐族の子供だよー!  容姿端麗の美少女!さあ値段は100万からだ!』  突然近くから聞こえてきたあの怪しげなお兄さんの声が聞こえてきたあと、人間の叫び声が聞こえてきた。  今の話から察するに此処は奴隷市なのだろう。 そりゃ目玉商品にもなるよなぁ。妖狐族だもん。  このまま売られて一生コキ使われるんだろうか? それとも性奴隷にでもなるのだろうか。  そうなった瞬間に舌咬み千切って自殺するけど。
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