第1話

プロローグ

　もし、「化け狐の姿を思い浮かべろ」と言われたら貴方はどんなものを想像するだろうか。
僕はまず白面金毛九尾の狐を思い浮かべた。
これは持論だが大半の人がそうなのではないだろうか？
　今やこの狐はゲームの登場キャラや物語の主人公としても多く取り上げられている。
　金色の毛皮に九つの尾を持った神秘的な獣。
人はこの狐を「妖怪」といったり「神」と言ったりする。
それほどまでに美しい狐なんだろう。
　きっとこの獣の美しさに心奪われ、恐れた人間は少なくないだろう。
僕もその一人だ。

　そういえばまだ自己紹介をしてなかったよね？
　初めまして、僕の名前は姫崎　桜子(ﾋﾒｻﾞｷ ｵｳｼﾞ)。こんな名前でこんなしゃべり方だが一応生物学的には女です。
周りからは「姫王子」と呼ばれてる。大変不本意だ。
　僕の容姿を簡単に説明しよう。
　まず髪型はロングヘアーだ。もう一度言おう。ロングヘアーだ。
因みに染めたことはない。せっかく授かったこの黒髪を染めるなんてもったいない気がするから染める気は今後一切ない。
　次に身長、173㎝。
何故か高校生になってから急速に成長して今では男子と肩を並べても同じ高さになる奴が多い。
何故だ。お前らもっと成長しろ。
　次は顔。
目は生まれつき三白眼でちょいつり目。因みにぱっちり二重だ。
鼻はスッと筋が通っていて普通の日本人よりは少しだけ高い
。僕の祖母がイギリス人だそうだ。……パスタが好物なんだと。
唇は女にしては薄いらしい。

　まぁつまりだ。何が言いたいかって言うと僕はそこら辺の男よりイケメンらしい。
告白は女子にしかされたことがない。
　そして服装についてだが、僕は男子用の制服を着て学校に通っている。
　入学して間もない頃、やはりその時から男として見られていたらしく、先生に何度も「何で男子用の制服を着ないんだ！」と注意されまくっていたからだ。
　その度に説明するのはめんどくさいので学校に申し出て男子用の制服を着ている。
　お陰でいっそう男扱いに拍車がかかったのは言うまでもないだろう。
最近では体育も男の方でやるように言われているほどだ。