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◆・◇・◆
《小糠雨(こぬかあめ) 》
亜里の前には、四歳下の男が居た。
あれから二年の歳月が過ぎている。
職に就いては、身体を壊すことばかりを亜里は繰り返していた。
ありとあらゆる道具の揃う、ウッド調でまとまった男の部屋。
間接照明だけが灯されている。
闇夜のように沈んだ亜里の瞳。
白い肌を横たえる亜里へ近付いた男が、火の付いた煙草を亜里に咥えさせる。
煙草を吸い込むと妙な味がした。
嫌な感じではないが、ただ妙な味。
「これは?」
「ハーブ。少ししたらクラクラし始めるから、あまり吸い込み過ぎないで」
「そう」
男の言葉を聞き流して、亜里は思い切りそれを吸い込む。
特に違和感はなかった。
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