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涙目でナオトの後ろに隠れるモモ。
頭をさすりながら、シノは異議を唱える。
「エロ親父じゃないよ。
エロ親父だとしても、エロ親父という名の淑女だよ!
可愛い女の子がいたらとりあえずセクハラするのが礼儀じゃないの!?」
「確認しとくが、セクハラって性的嫌がらせって意味だからな。
嫌がらせする礼儀なんかあってたまるか」
「またぁ、ナオくんだってセクハラしたんじゃないの~?」
先ほどの通話で、何かあったのだろうと空気で察していたシノは、したり顔で探りを入れる。
「それはだな…」
嘘をつくのが下手なナオトが言い淀む後ろで、モモが顔を赤らめてうつむいたのを見逃すシノではない。
「あー!
人をエロ親父扱いしときながら、自分のが先に手ぇ出したんでしょー!
ナオくんのエッチ変態ドスケベおっぱい星人!」
一息にまくし立てるシノに、ナオトも気圧され後ずさる。
「まあ、しょーがないよね~、モモちゃんはナオくんのドストライクのタイプだもんね~」
「タイプって、どういう…」
「ばーん☆」
ナオトを横目に後ろも向くと、テーブルの上からRVDのパッケージを掴み上げ、どこぞのご老公の部下のごとく、これが目に入らぬかとばかりに突き付けた。
そのパッケージには、派手なカラーリングのメイド服に身を包んだ萌え萌え美少女が、これでもかと愛くるしさを振りまくポーズで描かれている。
「ちょ…おま…」
「あ~!
マジカルメイド プリンティープリンじゃないですか!」
慌てるナオトの後ろから飛び出してきたモモが、パッケージをシノから取り上げ表から裏まで、喜色満面で眺める。
「まさかモモ…それ好きなのか」
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