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「スーパー家畜プロジェクト…ねぇ…」    モモを居間に通してソファーに座らせたナオトは、封筒に入っていた書類に目を通していた。    そこには労働力として使えるだの、少量の飼料で肥育できるだの、人の住環境の中でも容易に飼育出来るだの、美味だのと尋常じゃない長所を持った家畜の開発計画が書かれていた。    信じがたいがそれが最終段階にきており、そのモニターにナオトが選ばれ、費用は全額国が持ってくれるようだ。   「はい!  このプロジェクトが成功すれば、日本の…いえ、世界の食糧問題が大きく改善するのです」   「へぇ~…」    ナオトはその夢のような、というよりムチャクチャな家畜を力説するモモの話も、半信半疑で聞いていた。    その家畜の面倒を見る職員がモモで、ナオトの世話をするというのはそのついでの迷惑料と思えば納得できたが、それにしても不自然だ。    だったらモモ自身がモニターになれば良いのではないか?    そもそもなんで自分が選ばれたのか?    合点のいかない点はあったが、異性に興味津々の若い男子にとって、この可愛らしい少女と同居生活を思えば些細な問題と言えた。   「…で、今日付けで送られてくる、その…スーパー家畜っていうのはどんなの?」    「はい! よくぞお聞きくださいました!  私がそのスーパーエリート家畜1129号、原見モモなのです!!」    勢い良く立ち上がって、力強くかつ誇らしげにモモは宣言した。   「………へ!?」    モモの言葉は、ナオトの思考回路を崩壊させるに充分過ぎる威力を持っていた。    いや、エリートとは書いてなかったよななどと、どうでも良いことを経由して、ナオトがフリーズから復旧するまで10秒ほどの時間を要した。   「だって原見さん、人間だよね?」   「いえいえ、家畜です」
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