第1章

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みんなでゾロゾロ廊下に並び、体育館に向った。 入学式は校長先生、来賓の話し、教科の先生紹介などと進み、新入生代表でなんと俊平君が呼ばれて壇上に上がった。 相変わらず頭も良いらしい。 あの時の事などすっかり忘れていた、イヤ、思い出さないように心に鍵をかけていたあたしは、首席なんてスゴイなぁ。なんてぼんやり見つめていた。 「在校生代表 生徒会会長 、松田 隆弘」 名前が呼ばれた途端に体育館は 「キャーッ!」 女の子の黄色い声が轟いた。 みんなの視線の先には、芸能人も真っ青な、まるで王子様のような人が 颯爽とマイクの前に立ち代表挨拶を始めた。 うわぁ、またイケメンだぁー。この学校噂通りイケメンいっぱいなんだなぁ。王子だぁ。 なんて、呑気に思っていたり。 なんだか眠くなってきたよ。 入学式独特の雰囲気に飽きてきたあたしは、ウトウトとふねを漕ぎ出していた。 そんな様子を見ていた人達がいたなんて、まったく気がつがずに。 「これで、第32回入学式を終了します。新入生起立!」 副校長のマイクの声にしたがい、ガタッと音をたててまわりが立ち上がったので、慌てて皆にならい 礼をして、退場に従った。
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