第24話 校内ダンス大会

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 熱く燃えた甲子園の夏は終わり、秋葉高は二学期を迎えてからはや一か月が経った。生徒会は澤本一樹が生徒会長に就任し、新しい役員を迎えた。副会長は晶子、書記は伊藤さちえ、そして会計は朋美がそれぞれ担当することになった。晶子たち新役員は、校舎三階の奥にある生徒会室に集まっていた。 「えーっつ。それでは第一回目の生徒会役員会を開催します」  生徒会室の作業机を囲んで座る新役員たちを前に、生徒会長の一樹が役員会の開催を宣言した。一樹の右隣には晶子が座っていた。そして、作業机を挟んで相対するように朋美とさちえが並んで座っていた。 「新学期を迎えて、僕たち新生徒会役員は来年の三月まで生徒会を引っ張って行くことになります。皆さん、よろしくお願いします。それで、当面の仕事ですが、予算関連では野球部の甲子園出場など夏休み期間中の部活関連経費について把握しておく必要があります。これは朋美さんにお願いしたいと思います」  一樹の言葉を受けて、一樹の正面に座る朋美が手帳を取り出した。 「予算の件はわかったわ。今週、早乙女校長先生とこの件についてアポイントを取ってあるので、校長先生のご指示を受けながら進めたいと思います」  朋美の発言に頷いた一樹は隣に座る晶子を見た。 「それから、僕の選挙公約にあった校内ダンス大会の件ですが、これは晶子さんを主担当にして検討してもらいたいと思います」 「えーっつ。わたしが主担当?わたし、校内ダンス大会には賛成だったけど、今まったくアイデアがないわ」 「この件はさちえさんが詳しいので、晶子さんはさちえさんと協力しながら企画案を作ってください。それをたたき台に僕たちみんなで意見を出し合って、生徒会役員の最終案を作りましょう」  そして、さちえが準備していた資料が配布され、当面のスケジュルを決定した。
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