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「そんな事ないわよ。去年の剣道部の合宿ではあんなに頑張ってたじゃない」
晶子は夏合宿で対戦した私立明光高校の女子剣道部をさちえたちが破ったことを思い出していた。
「あの時もわたしは本気で辛い合宿から逃げ出そうとしていたし、晶子さんが助けに来てくれたから、わたし、少し強くなれたと思うんです」
「あの時は、わたしも心配して晶子と一緒に、さちえたちのことを探したのよ。そしたら、陽気に歌うたってて」
朋美がツッコミを入れた。晶子は苦笑いをした。
「わかったわ、さちえ。わたし、さちえのアイデアが実現するように協力するわ」
「プロムをやるとなるとお金がかかるから、会計担当のわたしも晶子と一緒に、協力するわ」
「ありがとう、晶子さん。そして、朋美さん」
そこへ、野球部の部会を終えたイザベラと椿俊介が帰ってきた。
「あらぁ、晶子たち来てましたの?三人で何の相談でありますか?」
そう言いながら、イザベラはさちえの隣に座った。俊介も隣のテーブルから椅子を持ってきて参加した。晶子は、生徒会でプロムの開催を提案しようと検討していることを話した。
「へえ。卒業式のダンスパーティーをこの学校でやるんですか。それは楽しみだな」
俊介が目を輝かせた。
「椿くん、プロムは卒業生のためのダンスパーティーなのよ。あなたはまだ二年生でしょう。それに、相手の女の子もいないとだめなのよ」
朋美がまたツッコミを入れた。
「はっつ。朋美さん、俺がモテるの知らないの?秋葉の女子がこんなイケメンをほっとくわけないでしょう」
「それに、椿くんは甲子園のヒーローでもありますからね」
イザベラも乗ってきた。
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