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その場に何分立ち尽くしただろうか。
僕は長い笛が聞こえるまでその場にいた。
「やばっ…行かないと……」
長い笛がどんな意味を持つかは分からない。
でも、行かないとと思った。
僕は男がさっきまでいた観客席入り口に向かい、数段の階段を駆け上がる。
すると、スタジアムは黄色と赤の二種が試合していた。
赤は勇がいるサッカー部だとすぐに分かり、観客席にも見知った人間が何人かいた。
あと、すれ違った女の子達も見掛けた。
皆、試合に夢中になっていて、声を張り上げて試合をする勇達を応援していた。
僕は空いた席を探し、皆から少し離れた場所で応援する事にして、空いてる席を見掛けると、ちょこんとその席へと座った。
「あ……」
そして、見付けてしまった。
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