1.恋に落ちる瞬間

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 その場に何分立ち尽くしただろうか。  僕は長い笛が聞こえるまでその場にいた。 「やばっ…行かないと……」  長い笛がどんな意味を持つかは分からない。  でも、行かないとと思った。  僕は男がさっきまでいた観客席入り口に向かい、数段の階段を駆け上がる。  すると、スタジアムは黄色と赤の二種が試合していた。  赤は勇がいるサッカー部だとすぐに分かり、観客席にも見知った人間が何人かいた。  あと、すれ違った女の子達も見掛けた。  皆、試合に夢中になっていて、声を張り上げて試合をする勇達を応援していた。  僕は空いた席を探し、皆から少し離れた場所で応援する事にして、空いてる席を見掛けると、ちょこんとその席へと座った。 「あ……」  そして、見付けてしまった。  
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