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1.恋に落ちる瞬間
その日は朝から快晴で、幼馴染の勇(イサム)に誘われなければ外には出なかったなと思うほど、ポカポカな一日だった。
「眠い……」
昨日は借りて来たDVDをずっと見ていたので、睡眠時間が短かった。
本当はこんな日は一日中寝ていたいけれど、前々から約束していた勇との約束を破ることはできず、僕は一人、勇に言われた場所へと向かった。
「あったここだ……」
言われた場所は学校近くのグラウンドだった。
そこで、勇にとっての中学最後の試合が行われるらしい。
「遅刻かな……」
時間はギリギリ。
キックオフに間に合うか間に合わないかの時間だ。
でも、走らないのはそこまで興味がないからで、僕はいつも通り、のんびりとマイペースに歩いた。
こんな所勇に見られたら怒られそうだけど、それでも自分のペースは乱さない。
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