3.まさかの……

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 そして、大広間に着くと、スポーツ科と特進科に分かれ、指定された席に座った。  そして、それから直ぐ寮長の挨拶が始まった。  でも、僕は何も頭に入って来なくて上の空。  そんな僕を熱く見詰める視線が一つ。  けれど、僕はその視線に気付かず、ただずっと、離れた場所に座る仁君を見詰めていた。  やっと近付けたのに、心は近付けない。  でも、そう分かっていても、諦める事ができず、自分は本当に仁君を愛しているのだと痛感する。 (好きだな…すごく……)  心がきゅうっと苦しくなるほど、すごく好き。  会う前よりも、更に好きが溢れるほど、好きだ。 (切ない……)  僕は上の空のまま、その時間を過ごし、勇が声を掛けてくれるまで、ずっと同じ体勢のまま座っていたのだった。
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