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『まず...録音機に入っていた声ですが、栗城さんの声だったとは思えません...』
『考えてみてください』と、天野は天井を指差した。
『録音機が設置されていたのは、屋上入口のすぐ側...つまり、校門側になります。そこから、栗城さんが座っていた場所まで、距離にして約二十メートルは離れています...
それだけ離れた場所の声が、あれだけ鮮明に録音機に残っていることは考え難いとは思いませんか?』
確かに...と思ったが、私は直ぐに首を振った。
「でも...例えばですけど、彼女が入口付近で声を上げていた可能性もありますよね?」
『村上君を見ずに、一人で...ですか?』
「えぇ」
苦しい理由付けにはなるが、可能性がゼロではない。
『まぁ、なきにしもあらずですが...では、それを踏まえてもう一つの現象について、考えてみてください...』
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