魔導少女と僕

2/34
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
日本魔導協会本部第一会議室。 その部屋で月一の定例会議は行われた。 出席するのはこの組織を動かす七人の幹部達。 会議の内容は主に各班の運営状況の確認。 総務班の他の班との連携状況。 諜報班の他の組織の動向と、警察との内通。 医療班の魔導師の健康状態。 開発班の魔法及び魔導具開発の現状。 経理班の予算と資金調達。 魔導班の魔導師の戦力及び雇用状況。 そして、魔導少女班の戦績と戦果。 部屋の中心には立体投写式の大きなモニターが設置されており、そのモニターを囲むように円状の机が置かれている。 そして、その椅子には一人ずつ、計七つの人影が座っている。 そのうちの一人である総務班班長が取り仕切る。 「では、最後に魔道少女班の定期報告を」 険しい顔をした白髪の男性や色気のある女性等、大人しかいないこの中で。 一人の少女に目線が集まる。 この場に不釣り合いとも言える制服姿の少女は、不敵に笑みを浮かべ、傍に立つもう一人の少女に視線を送る。 傍に立つ少女は一歩前に出ると、手元のレポート用紙に目を落とし、淡々と報告する。 「はい、では、お手元の資料と、モニターをご覧ください」 そう言い、少女が指を一つ鳴らすとモニターにとある映像が映し出される。 「今月三日。 相生製薬の一人目の刺客を撃退。 捕獲の際に与えた損傷が深く、詰問に応じるのは困難と判定。 同じく七日。 二人目の刺客、森宮香織を捕獲。 詰問の結果、相生製薬の雇用魔導師だと判明。 同じく十二日。 相生製薬の雇用魔導師である三重義重の捕獲を試みましたが、自害。 有益な情報は得られず。 その際に『パンドラ』を人質に取られたものの、無事回収。 『パンドラ』の状態に支障はありません」 映像は場面によって変わり、地図や監視カメラの写真を映し出す。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!