呪詛と憎悪

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各務原さんは私の手を握って、優しくいう。 「澪ちゃん。僕はね、澪ちゃんの両親が魔女に無慈悲に殺されたことが許せないんだ。 それだけじゃない。 これからも魔法の被害者が増える続けることが許せない。 人殺しをする魔女達が一刻も早くいなくなってほしいと思っているんだよ。 そうすれば、これ以上悲しむ人が増えることはないから」 「私も、そう思います。でも……」 今の私にはその力はない。 だから、力が欲しい。 「力が欲しいかい? 魔法に対抗するための力が」 「欲しいです」 私は迷いなく答える。 「力を手に入れるには、苦痛が伴う。 けれど、どんな苦痛が待ち受けていても、君はそれに耐えきれるかい?」 「耐えきれます……魔法を滅ぼすためなら」 その痛みさえ、魔法への憎しみに変えてしまえばいい。 全て、魔法が悪いのだから。 私はこうして、呪詛の力を手に入れた。
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