魔女と幸福

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俺、水瀬遥が魔女となってから、早いもので一年が過ぎた。 俺は高校三年生となり、雷華は高校二年生にと、二人とも無事進学することができた。 この一年で俺の周りの環境は特に変わることはなく、平和な日々を雷華と過ごすことができている。 のだが。 最近悩みができてしまった。 「うぁー。 どーしよう……雷華に嫌われてしまったかもしんねぇ」 それは、最愛の妹である雷華が少しよそよそしいということだ。 いつもなら、登校と下校は一緒に歩くのだが、最近は俺よりも早く家を出て、帰りも用事があると言って早く帰ってしまう。 用事の内容は告げず、学校を俺より早く出るのに、家に帰ってくるのは俺より遅い。 澪にそのことを相談したら、年頃の女の子の反応としては普通のことで、大人しく受験勉強をしろと言われてしまった。 雷華との二人暮らしのためには、普通の人間と同じように振る舞わなければならない。 そのためには、会社に入って働かないといけないから大学に進学してから就職しようと考えている。 だから、今は勉強に集中しなければならないのだが。 集中できるわけもない。
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