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オレは湯坂和真。
ごく一般的な高校生だ。
趣味はゲームと動画を観ること。
今日もオレはベッドの上に寝転がって携帯で動画を観る。
「うおっ!カッケー!イケイケ~!!」
そう言って叫ぶと部屋の扉が開く。
そして一人の女の子が入ってきた。
「もう!お兄ちゃんうるさい!静かにしてよ!」
この子はオレの妹の美菜だ。
美菜は怒りながら部屋に入ってきた。
「お兄ちゃんももうすぐ中間テストでしょ?勉強しなくていいの?」
「うるさいなぁ!オレだってちゃんと勉強してるし!!」
美菜はオレの机の上を見る。
「そのわりには机の上に勉強道具が無いんだけど。」
「今日は今からするんだよ!」
美菜はため息をつく。
「...私は別にお母さんとかじゃないから言いたくないんだけど、テストあるのお兄ちゃんだけじゃないんだよ。お兄ちゃんの部屋から笑い声するの本当に嫌なんだけど。」
「えっ!?そんなに聞こえてた!?マジで?何で?」
「しるかバカ。とにかくそろそろ笑うの止めてよね。」
そう言って廊下に出る美菜。
そしてココアとお菓子を持って戻ってきた。
「はい。とりあえずお夜食置いてくね。」
「あざーす。」
美菜は机の上にお菓子とココアを置いて出ていった。
「...あ~、勉強とかめんどいし。別のことしたいわ。」
そう言って部屋を見渡す。
「...掃除したい。っていうか掃除しよ。」
そう言って押し入れを開ける。
その時、目についたのは子供の頃遊んでいたものを入れていたダンボールだった。
「おっ!これ懐かしいな。確か、魔剣とか言ってたっけ?...邪魔だし、捨てよう。」
そう言ってゴミ箱におもちゃの剣を捨てる。
「これも懐かしいな。魔術書とか言って作ってたやつだっけ。これも要らないな。」
そう言ってまたゴミ箱に捨てる。
「こんなのもあったのか。勇者の剣。よくアイツとこれで遊んでたなぁ。懐かしいけど、もう要らないよな。」
そう言ってゴミ箱に捨てる。
その時美菜がまた部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん、今度は何?うるさいんだけ...ど...」
美菜はゴミ箱の中身を見て驚いた顔になる。
「これ、捨てるの?」
「ああ。もう要らないだろ?」
そう言って美菜の方を見ると美菜はゴミ箱に捨てた剣と魔術書を持って立っていた。
それも泣きそうな顔で。
「お兄ちゃんの、お兄ちゃんのバカッ!!」
そう言って部屋を出ていってしまった。
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