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(殺される!こ、殺されてたまるか!!)
俺は何か無いか探した。一時的でもいい。この場をしのげそうな物を。辺りを見回して見つけたその時。
「死ね!!」
ナイフをふりおろす男。
「くそっ!!」
俺は近くに転がっていた靴べらを手に取り、ナイフを受ける。
「何っ!?」
「こんな所で死ねるか!!」
俺は男の腹を蹴る。男は俺の予想外の抵抗を避けれずにまともにくらい、うずくまる。俺は家の外へと駆け出した。まだ美菜は帰ってきてない。なら家にこもったら、きっと美菜はアイツと鉢合わせるだろう。
「ケータイ、ケータイ...。くそっ!置いてきたか!」
「待て小僧!!」
「やべっ!」
俺は男から逃げて町を走る。
「誰か!誰か居ませんか!」
俺はそう叫びながら走る。
「無駄だ。」
「うわっ!!」
俺の目の前にさっきの男が空から落ちてきた。
「む、無駄って、というか今空から...!?」
男は俺の首を掴んで持ち上げる。
「ぐっ、がっ!」
「さっきは油断したが、もう油断はしない。」
(何だ、コイツの力は!?人間じゃないみたいだ。)
男はニヤリと笑い、力をこめる。
「逃げられないように首をへし折ってやる!!」
「うぐっ!!」
俺は息が出来ず、意識が朦朧としてきた。
(はは、本当にこれでおわりかよ...。みじか、過ぎる、だろ...)
その時、男がいきなり手を放した。受け身など取れるはずもなく地面に落ちるが、新鮮な空気が入ってくる。何があったのかまわりを見渡すと、男の立っていた所に美菜が立っていた。
「お兄ちゃんに、手を出すな!」
「美、菜...。逃げろ、ソイツは...。」
「邪魔をするな!」
男は美菜にナイフで襲いかる。それを避ける美菜。美菜は足払いをかけたりするという何かの戦闘アニメをみているかのような戦闘を始める。美菜は男のナイフを奪い、男を倒し、ナイフを握り直す。
「!?止めろ!美菜!!」
美菜は俺の声に反応して止まる。男はそれを見逃さなかった。男は美菜を俺の方へと投げる。
「きゃあ!!」
「美菜!!」
美菜は俺の目の前に倒れこむ。そして美菜が俺の前へと投げられたとき、美菜の鞄から一冊のノートが飛び出した。
「これは、あの魔術書ノート?」
俺がノートを拾うとノートが光りだした。
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