甘くて苦しい香り

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一度肌を重ねてからは、それまで慎重に進めて来たことがまるで嘘だったかのように、私達は抱き合った。 ダムの決壊のように、一度溢れ出してしまったものは止まらなかった。 私は刺激と好奇心から、彼が求めるままに受け入れて来た。 いつも側にいて、涼太の体温を感じている。 安心するし、心地いい。 だから『好き』だと思っている。 けれど、今まで本当に涼太に『恋』をして来たか? そう問われると、 正直分からなかった。
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