甘くて苦しい香り
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「涼太、持って来たよ」 カチャリとドアを開けると、屈託ない涼太の笑顔と共に、見知った彼の友達たちが目に映る。 「おーっ、梓ちゃん。久し振り」 どうもー、と笑顔で挨拶しながら、 少し甘い香りが漂っていることに戸惑いつつ顔を上げた。 香りの先には壁にもたれて座る、見たことがない男の子の姿があった。 それが瀬尾久弥。 はじめて見た時、ドキンと心臓が大きく音を立てた。
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