甘くて苦しい香り

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「……そんなこと言わないで」 私を一途に想ってくれて、優しくて温かい涼太の姿が脳裏を過り、 罪悪感に胸が苦しくなる。 「言われたくない風を装いながら、こう言った後は、すげー乱れるのな。 めちゃめちゃ、濡れるし」 そう言ってクックと笑う彼は、心底最低だと思う。 あえて、水音を響かせるように動く。 「――ほら、やらしー、梓」 「…………ッ」 誰が見てもカッコイイと口にするであろう整った顔立ちに、しなやかなスタイル。 艶やかな髪は少しウェーブがかっていて、冷めたさを感じさせる切れ長の瞳。 この男は最悪。 最低の男だ。 ちゃんと分かっているのに、また抱かれてしまうんだ。
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