囚われたカラダ

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私もいつか誰かの奥さんになった時には、涼太のお母さんのようにいつも綺麗にしている人になりたい。 憧れに似た気持ちで美味しい紅茶を口に運んでいると、温かな空気を打ち砕くように携帯電話が鳴った。 見たこともない着信ナンバーにキョトンとしつつ、 「ちょっとごめんなさい」 と電話に出た。 「……はい」 少しの間のあと、 『……俺、久弥だけど』 と落ち着いた低い声が耳に届き、バクンと鼓動が跳ねた。
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