囚われたカラダ

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「こ、ここは?」 挙動不審になり、目をキョロキョロさせながらそう尋ねると、 「俺の部屋」 と彼はサラリと答えた。 このオフィス高層ビルに、まだ高校生の彼が一人で住んでいるなんて、一体何者なんだろう? しかし、その部屋はあまりに綺麗で無機質で、人が生活しているようには見えないほどだった。 そんなことを思ったあと、 私はまんまと彼の部屋に連れ込まれたことに気付き、 「な……ッ、謝りたいとか言って、私を自分の部屋に連れ込んだの?」 真っ赤になってそう声を上げると、彼は小さく頷いた。 「ああ、謝りたかった」 そう言ってゆっくりと近付いてくる。
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