586人が本棚に入れています
本棚に追加
口元に笑みを湛えながらも、どこか冷たい瞳で私を見下ろして、ゆっくりと歩み寄る彼に、気圧されて半歩後退りした。
「謝るなら、わざわざ、こんなところまで連れてこなくても」
そう言いながら、謝罪の言葉を聞く為に、ここまで着いて来た自分の浅はかさに後悔の念が募る。
「梓、ごめん。この前は涼太の部屋で」
と彼は私の頬に手を触れた。
「キスだけで終わって、ごめん」
そう言ってグッと身体を引き寄せて、
キスを、落とした。
最初のコメントを投稿しよう!