その笑みの向こう側

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何も言えずにベッドに横たわる彼を見ていると、 「せっかく来てもらったけど、悪い。疲れてるんだ。 抱かれるのは、抱くよりも疲れるな」 そう言って楽しげにクスリと笑う。 脳裏に浮かんでは、否定していたことが明るみになった感じだった。 そう、久弥は、あの男に抱かれたばかりなのだ。 その理由は、 このベッドの上に散乱した一万円札が すべてを物語っていた。
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