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「……それじゃあ、涼太はこれから、どうするの?」
そう尋ねた後すぐに、
残酷なことを聞いているかもしれない、と反省して俯いた。
そんな私の気持ちを汲んでくれたのか、涼太はニコリと笑みを見せた。
「お袋と一緒に生活するつもりだよ。
金のかかる私立の進学校に通い続けるのは無理だから、公立に編入して。
実はお袋も、オヤジの愛人問題にはずっと悩んできたみたいでさ、最悪な形だけど、すべてをリセットするいいキッカケだったのかもしれない」
そう言って清々しい顔を見せた涼太に、少し圧倒された。
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