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この世界には、悲惨な過去を持つ者は少なくない。
時にまるで年寄りの病気自慢のように、自分の過去を浸って語る者も少なくない。
リストカットも薬物依存も、やりきれないもがきのように見える。
そういう意味では、自分は悲惨な過去を持っていても、彼らとは違った。
自分の悲惨な過去に浸ることもなく、自分の今の境遇に嘆くこともない。
それはやはりどこか壊れているからなんだろう。
普通の十代の男の子が抱く恋心や性欲も、自分には皆無だった。
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