373人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
―――
―――――
――――――――
「久弥、学生証落としたわよ」
事務所のマネージャー・塩谷妙子がソファーの上に落ちている学生証を手に取りそう言った。
実際のところ彼女は、佐竹の裏仕事の秘書で愛人なのだが、その業務内容から皆にマネージャーと呼ばれている。
「あ、悪い。後ろのポケット入れてたから」
「久弥が高校生だなんて不思議な感じよね。
学校でモテて大変でしょう?」
クスクス笑いながらそう言って学生証の写真に目を向けていた。
「別に……俺を買える金もないクラスメートの女子にキョーミはないから」
「ホント、たいしたものね」
彼女が楽しげに笑ったその時、学生証からヒラリとプリクラが落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!