12月の企画 ▽ナル竜▽

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  「ねー、竜也先輩ー。 ケーキ! 生クリームいっぱいのケーキ作りましょーよー」 さっきからこの調子。 あーっ!もうっ! 「やかましいわ! なんでケーキやねん! いきなり過ぎるし意味わからんわ!」 「えー? それは…その…食べたい、からですよ?」 「目ぇそらしてゆうても何も誤魔化せんからな? 何企んでるんや?」 「あー…や、その……今日、俺の誕生日なんで…先輩の作ったケーキが食べたいなぁ…なんて…」 …は…? 誕生日…? 「……ねぇ、竜也。駄目…?」 「…っ! 耳元で喋んなやボケーっ! わかった!わかったわ! 作ったったらえぇねんやろ? でも、そんかわり…作り方知らんし初めてやし、どうなっても知らんからな?」 ホンマコイツの声厄介やわ…。 ホンマ、この声俺の好みどんぴしゃ過ぎるってゆうか…セコイわ、ホンマ。 「俺は、先輩が作ってくれるものなら…どんなものでも構いませんよ!」 あー、あー! 声に甘みを含ませんな! この程度で、 甘く蕩けるように笑うなや! 「…あー、もう! とりあえず、ホンマ作り方とか材料とか知らんし…家庭科部が活動しとるかも知らんから、調理室行ってみんで。 上手くすれば教えてくれるかもしらんし」 結局、 こうやって最終的には作ったったり… 少しでもちゃんとしたモン食わせたろて 頑張ろうとしたりすんのが、コイツを付け上がらせるゆうか…。 所謂、俺の甘いトコ、なんやろなぁ…。  
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