145人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねー、竜也先輩ー。
ケーキ!
生クリームいっぱいのケーキ作りましょーよー」
さっきからこの調子。
あーっ!もうっ!
「やかましいわ!
なんでケーキやねん!
いきなり過ぎるし意味わからんわ!」
「えー?
それは…その…食べたい、からですよ?」
「目ぇそらしてゆうても何も誤魔化せんからな?
何企んでるんや?」
「あー…や、その……今日、俺の誕生日なんで…先輩の作ったケーキが食べたいなぁ…なんて…」
…は…?
誕生日…?
「……ねぇ、竜也。駄目…?」
「…っ!
耳元で喋んなやボケーっ!
わかった!わかったわ!
作ったったらえぇねんやろ?
でも、そんかわり…作り方知らんし初めてやし、どうなっても知らんからな?」
ホンマコイツの声厄介やわ…。
ホンマ、この声俺の好みどんぴしゃ過ぎるってゆうか…セコイわ、ホンマ。
「俺は、先輩が作ってくれるものなら…どんなものでも構いませんよ!」
あー、あー!
声に甘みを含ませんな!
この程度で、
甘く蕩けるように笑うなや!
「…あー、もう!
とりあえず、ホンマ作り方とか材料とか知らんし…家庭科部が活動しとるかも知らんから、調理室行ってみんで。
上手くすれば教えてくれるかもしらんし」
結局、
こうやって最終的には作ったったり…
少しでもちゃんとしたモン食わせたろて
頑張ろうとしたりすんのが、コイツを付け上がらせるゆうか…。
所謂、俺の甘いトコ、なんやろなぁ…。
最初のコメントを投稿しよう!