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「二人は結婚したんや」
お好み焼き屋のカウンターに座る真夏は、奈津帆から亜季奈と琉一朗についてのことを教えられていた。
「せやねん。またお祝いしたらなアカンわ」
奈津帆はお好み焼きを作りながら、嬉しそうに言う。
「なつ、お祝いもいいけど、なんか忘れてないか?」
真夏の言葉に奈津帆は首を傾げる。
「漫才の祭典、言ってたやろ?」
真夏の問いかけに、
「あぁー」
と返事を躊躇した途端、
バチン!!
と何かが奈津帆の頭を直撃した。
「いったー! 何すんねん!!」
痛みで頭を押さえる。
真夏はメニュー表をカウンターに置くと、
「もうそろそろ練習せな」
と奈津帆に顔を近づける。
「ホンマに出るん?」
まだ半信半疑な奈津帆。
「言うたやん」
真夏の言葉に奈津帆はため息をついた。
『第15回漫才の祭典、グランプリは、『夏』の冬川奈津帆さんと八月一日真夏さんに決まりました!!』
「スゴイな」
「ふゆち、スゴイね」
テレビで奈津帆と真夏のコンビを応援していた琉一朗と亜季奈は、素直に喜んでいた。
クリスマスの日。
お好み焼き屋を臨時休業して、亜季奈と琉一朗の結婚、奈津帆と真夏の漫才の祭典グランプリ受賞を盛大に祝う事になった。
「結婚相手も、漫才コンビも、似たもの同士が一番いいんです」
紗愛の呟きは珍しく誰にも聞こえなかった。
終
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