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「あれ?お前、何処から来たの?」
市の公園に、友達と遊びに来ていたら、砂場に明らかに迷子な子が、ちょこんっと座ってた。
目にいっぱい涙を溜めて、俺を見上げてる。
「………んー、優と同じ年ぐらいかあ?
でも、少し小さいかな?」
話しかけられて我慢が途切れたのか、突然、そのおちびは泣き出した。
「………うわぁぁぁん!おかあしゃーん!!」
「えっ!えっ!ちょっと!!」
ついいつもの条件反射で、泣き出したその子を抱き上げると、びっくりしたのか涙が止まった。
「お、よしよし。いー子だなあ。お前。
優より、あやしやすいかも。」
落ち着かせるように、背中をポンポンと叩くと、しゃっくりはするものの泣きはしなかった。
「お前、名前は?」
「かじゅ、かじゅし。」
「かじゅし?あー、かずしか?
よし!にーちゃんがお母さん探してやるな!?」
「にーちゃ?」ってかずしが首を傾げる。
ん?にーちゃんが分かんねえの?
「俺のこと!名前の方がいっか?香月だよ。言ってみ?かーづーき。」
「かづゅき!」
うっはー!可愛い!!めっちゃ連れて帰りてえ!!いやいや、それは犯罪だ!
かずしを抱っこしたまま、その辺を歩いていると、速攻お母さんらしい人が見つかった。
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