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「僕は君が大好きだ!
その長くて艶やかで美しい黒髪をクンカクンカスーハーしたかったし腋をペロペロしたいと願ったし君の白いカモシカのような脚に頬ずりしたいと何回も思ったしそれから柔らかそうな形のいい胸に顔を埋める日が来ることを待ち望んでもいた!
サクランボ色の唇にチュッチュする光景を幾度も想像した!
レイちゃんお願いだ、聞いてくれ!
僕はこんな感じにはち切れんくらいヒワイな妄想をたくさんいっぱいしちゃうくらい君が大好きなんだ!
アイラブユーなんだ!」
僕は金属バット片手に、血走った目をしながら深夜の公園で吠えた。
息をハアハア荒立てながら着飾らない、ありのままの欲望を忠実に再現した恥ずかしい求愛の告白を叫んだ。
僕の姿は紛れもなく変質者だった。
だが、たとえ変質者のそしりをうけようとも僕にはやらなくてはいけないことがある。
僕は戦わなくてはいけないのだ。
誰と?
それはもちろん、敵とだ。
僕の愛する女の子が倒さなくてはならない敵。
日本刀を持った怪物。
人ならざる異形の存在。
そいつを僕が代わりに討つ。
ヤツは強い。
それはもう、べらぼうに。
だけど、でもそれでも僕は戦わなくてはいけない。
なぜなら僕は彼女のことが、す、好きだから!
彼女を護るためにはヤツを倒して平穏を掴み取るしかない。
「頑張れ、頑張るんだ男の子」
自らに言い聞かせて己の勇気を奮い立たせる。
金属バットを握りしめ、走り出す。
一世一代の大勝負。
勝つために僕は戦う。
王さん長嶋さん。
野球の神様ベーブルース。
どうかこの非力な僕に力を貸してください……。
歯を食いしばって息を吐く。
僕は他力本願でバットを振るった。
目の前に立ちはだかる強大な敵に、渾身の力でフルスイングした。
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