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だが、思った以上にレイちゃんの体勢持ち直しは早かった。
「ちょっと待って。盗んだ時点であなたも変態でしょ。
それに私のブラジャーで汗ふいてたわよね。
あれはかなり最低、いえ、変態としてはかなり上の部類になると思うけど」
冷静な指摘だった。
僕は知恵を絞りだして必死に屁理屈を捻りだす。
「それは、その……。
そう、君の魔性の黒い下着に魅了されて、僕の中に巣食うサタンが突き動かされてしまったんだ!
すべては下着の魅力と心の中に潜む悪魔がそうさせたんだよ!
僕には誠実な心が確かにあった。
そして正義の心を駆使して悪魔に抗った!
だけども圧倒的な悪魔の戦闘力の前ではあまりにも無力だったんだ。
屈せざるを得なかったんだよ。
無論、最後の一兵まで戦いつくしたさ。
けれどもヤツは強かった……。
これは仕方のないことだったんだ。
人間が悪魔に勝てるわけがない。
やれることはやった。
でも無理だった!
悪いのは悪魔! 全部あの地獄の住人が悪い!
僕のせいじゃない! よって僕は変態じゃない!」
何もかもが支離滅裂だった。
苦しすぎる言い訳である。
そして、相変わらず僕は何でもかんでも他の何かのせいにせずにはいられないクズだった。
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