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「長くて気持ちの悪い言い訳お疲れ様。
でも心の中の悪魔に勝てなかったというのは言いようで、つまり欲望が理性を上回ったというだけの単純な話でしょう。
浅い比喩で遠回しに言わなくても、ただの犯罪動機よね」
「うぅ……」
紛れもない正論。
僕は唸ることしか出来なかった。
もはや形勢は圧倒的にレイちゃんの側に傾いていた。
「理性を保てず、衝動的な欲望を実行してしまった。あなたはただの犯罪者ではないの?」
レイちゃんは辛辣な事実を遠慮なく突きつけてくる。
「あぅ……」
ぐうの音もでないほどボコボコに論破されてしまった。
略してぐう凹だった。
もうダメダメだった。
これから警察に通報され、お巡りさんがやって来て、パトカーに乗せられて僕の人生はおしまいです。
お母さんお父さん。
至らない、親不孝な息子をお許しください……。
そんな感じで絶望に打ちひしがれていたのだが。
「まあ、今回は見逃してあげるからさっさと帰って頂戴。次やったら言い訳なんか聞かないで警察に突き出すから」
レイちゃんの発したその言葉に耳を疑った。
「え? 見逃してくれるの?」
「そう言っているでしょ」
レイちゃんの顔を見ても冗談を言っているようには思えない。
上げて落とす意地悪とかでもなさそうだ。
これはどういった奇跡だ?
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