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「あいつの持っていた刀は叔父さんの形見なの。
昔、小さかった頃の私に叔父さんは話してくれたわ。
あの刀は叔父さんが大切な人から預かった大切な物だって。
大事な思い出の詰まった宝物。
だけどあいつはそれを盗んでいった。
お世話になった叔父さんの大切にしていた宝物を盗人の手の中にいつまでも収めておくわけにはいかない。
だから私は叔父さんに約束したの。
私があの刀を取り戻して叔父さんの元へ返すって」
「でも、それなら警察に盗難届を出して待っている方が安全じゃないの」
「馬鹿ね。
そんなものはとっくに叔母さんが出しているわよ。
けど、きっと警察じゃどうしようもできない。
あなたも見たでしょ。
化け物みたいなあの動き。
あいつはきっと普通の人間じゃない。
一昨日の晩も含めてあいつと二回交戦した私が言うのだから間違いないわ」
というか、その化け物と渡り合っていた君こそ何なんだと問い詰めたい気もしたが、下手に踏み込んで彼女を不機嫌にさせては元の木阿弥だ。
ここは声に出すのを押し止めることにした。
「とにかくあいつを捕まえられるのは私だけだし、戦えるのも私だけなのよ。だから私がやるしかないの」
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