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「なるほどね」
随分飛躍した結論だと思うが、とりあえず僕は同調した。
「それじゃあさ、その叔父さんの刀を取り返す戦い、僕も手伝うよ」
まあ、もとよりそのつもりで彼女に近寄ったわけなのだが。
そこはレイちゃんの思いに感銘を受けた風を装っておいた方が怪しまれなくて済むだろう。
ただでさえ怪しまれているのだから、これ以上の減点は避けたい。
「結構よ。
あなたなんかいても足手まといだもの。
それに理由がない」
まったくもってその通りだ。
しかし、それは前者のみに限る。
僕が戦力外なのはどう贔屓目に見ても明らかなことだが、後者に関しては少し違う。
なぜなら、レイちゃんには手伝ってもらう理由はなくとも僕には仲間に入れてもらいたいという理由がある。
「理由ならほら、アレ。
下着泥棒をしたお詫び。
あとは今の話を聞いて思うところがあったから、とか」
とっさに思いついた動機を述べる。
ここでハイそうですかと容易く引き下がるようなら最初から僕はこの場には来ていない。
僕はしつこかった。
「……あなたは一体何を企んでいるの?」
「何もないよ。ただ君の力になりたいだけ」
「嘘よ。怪しすぎる」
「嘘じゃないさ。僕の眼を見てくれ」
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