Ep1 escape-1

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「おはよー」 朝の準備を終えて、特に何もすることがなかった私は小説を読んでいた。 そんな時、背後から挨拶が。 振り向くと私の親友で隣の席の春川美依がいた。 凄いにこやかに笑いながら。 「おはよう、美依。なにか良いことあった?」 「えへへ、やっぱり分かる?」 美依は幸せそうな笑みを浮かべながら席に座り、私の方に近づいた。 そして耳元に口を近づけ、小さな声で言った。 「実はね……後藤くんと登校してきたの!登校中たまたま会って、そのまま!!」 「本当に!?良かったね!」 私と美依はお互いに喜んだ。 後藤くんは、美依が好きな男子で片想いを続けてきた。 けどあと一歩が踏み出せず、いつも何もできずにいた。 だから会話するだけでも彼女は嬉しいのだろう。 そんな美依を見てると私も嬉しくなる。 ──友達の喜びは私の喜び。 私たちはHRが始まるまで、その喜びを分かち合った。
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