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「おはよー」
朝の準備を終えて、特に何もすることがなかった私は小説を読んでいた。
そんな時、背後から挨拶が。
振り向くと私の親友で隣の席の春川美依がいた。
凄いにこやかに笑いながら。
「おはよう、美依。なにか良いことあった?」
「えへへ、やっぱり分かる?」
美依は幸せそうな笑みを浮かべながら席に座り、私の方に近づいた。
そして耳元に口を近づけ、小さな声で言った。
「実はね……後藤くんと登校してきたの!登校中たまたま会って、そのまま!!」
「本当に!?良かったね!」
私と美依はお互いに喜んだ。
後藤くんは、美依が好きな男子で片想いを続けてきた。
けどあと一歩が踏み出せず、いつも何もできずにいた。
だから会話するだけでも彼女は嬉しいのだろう。
そんな美依を見てると私も嬉しくなる。
──友達の喜びは私の喜び。
私たちはHRが始まるまで、その喜びを分かち合った。
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