Ep1 escape-2

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「ふぅ……」 もう一度息を整える。 もやもやしたものをすべて吐き出し、冷静さを取り戻すように。 だが冷静さは戻らない。 気付けば足が、手が震えていた。 「逃げなきゃいけない。逃げなきゃいけない!震えてる場合じゃないんだ!!」 俺は自分に言い聞かす。 だが震えは止まるどころか強くなるばかり。 早く逃げないといけないのに。 ──そう思った時だった。 今まで聞いたことの無い破壊音が響いた。 ビックリしたからか震えは止まっている。 今しかない。 そう感じた俺はすっと立ち上がり、再び逃げ始めた。 あてもなく、ただ走るだけ。 そうしている内にあることに気づく。 校舎の異質さに。 爆音がしてからかまでは分からないが、明らかにおかしい。 なんなのか考えようとした時、ふと気付く。 「悲鳴がない?」 そう、校舎に響く爆音がしたのに、異常が起こってると言うのに──悲鳴が聞こえない。 俺が疲れてるから? 「……少し見てみるか」
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