prologue

3/9
前へ
/23ページ
次へ
「おはよう」 突然横から野太い挨拶が聞こえた。 体育教師の松平である。 教育指導も兼任しているからか、こうして毎朝校門に立って挨拶をしている。 俺は適当に挨拶をした。 松平にはこうするしかない。 もし手を抜いたり、ふざけてやった日には教育指導の対象とされる。 全くもってパワハラな奴である。 モンスターペアレントがうじゃうじゃいる現在、よくこんなことができるもんだ。 ある意味関心ものである。 「っと、そんなことよりも……」 校舎に近付くにつれ、俺は周囲を見始めた。 そろそろ来ると思うのだが…… と思ってる内に、彼女が別な門から姿を現した。 つやのある黒髪、整った顔立ち、抜群のスタイル。 男子なら一度は憧れる女子、三日音葵が。 かくいう俺も葵さんには惚れている。 一度でいいから普通に遊んだり会話したりとしたいものだ。 ……叶わないことなのだろうが。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加