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「おはよう」
突然横から野太い挨拶が聞こえた。
体育教師の松平である。
教育指導も兼任しているからか、こうして毎朝校門に立って挨拶をしている。
俺は適当に挨拶をした。
松平にはこうするしかない。
もし手を抜いたり、ふざけてやった日には教育指導の対象とされる。
全くもってパワハラな奴である。
モンスターペアレントがうじゃうじゃいる現在、よくこんなことができるもんだ。
ある意味関心ものである。
「っと、そんなことよりも……」
校舎に近付くにつれ、俺は周囲を見始めた。
そろそろ来ると思うのだが……
と思ってる内に、彼女が別な門から姿を現した。
つやのある黒髪、整った顔立ち、抜群のスタイル。
男子なら一度は憧れる女子、三日音葵が。
かくいう俺も葵さんには惚れている。
一度でいいから普通に遊んだり会話したりとしたいものだ。
……叶わないことなのだろうが。
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