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「僕は梓君のがんばりを一番近くで見て来たよ。
決して優秀ではなかった君が、久弥の為に懸命に勉強を頑張って、弁護士になったのを間近で見て来た。
その資格が、今の久弥を救えるかどうかは分からないけど、会いに行くといい」
しっかりと目を合わせて言う彼に、目に涙が滲んだ。
「……久弥は、私のことをおぼえているかな?」
震えるように小声で尋ねた私に、
「もちろんだよ、絶対に覚えているよ」
と彼は小さく笑った。
その瞬間、零れ落ちる涙。
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