自由と新たな束縛

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今日 俺は家出をした。 学校行ったきりってやつ。 別に家族は 俺の事を心配しやしない。 だって 血の繋がりなんて ありゃしないんだから。 養子縁組で 俺とあの家族が出会った… 俺より年上の長男 俺より年下の次男 そして年下の長女 んで、両親。 ……俺が引き取られた理由、それは 八つ当たりの為。 みんなから殴られたり 腹いせに嫌がらせを受けたりしたんだ。 だから 家出した。 抵抗出来ない俺の…反抗だよ。 普通 小説とかだったら こんな風に家出をしたら いい人と出会うんだろうけどさ 現実は違う。 常に家族に怯えてさ ビクビクしてる俺に 頼れる友達なんていなくて こうやって 公園のベンチに横になって 野宿だよ。 家族はさ 俺が仕事をすることを認めなかった。 俺が金貯めて 逃げるのを恐れてたんだろうよ。 まぁ 逃げたけど。 …だから 俺 金ない。 結局俺には あの家しかないんだろうけど… 虐待なんか、もう嫌だ。 『…俺は、この先どーなるんだろう?』 星を眺めて 溜息をついた。 …学校だって もう 行かなくていいんだ…地獄みたいな 学校にも。 あの家にも もう 帰らない。 目を閉じ 不安にもなったけど 自由になったって言う 喜びに 久々に心が躍った。
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