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毒入りか?
咄嗟にそう考えた。
でも
どうみても…コンビニの弁当だし
開けた形跡はねぇし…。
蓮「おい。こっちにこい。」
顔を上げると
キッチンに置かれたテーブルに腰をかけて蓮が…手招きしていた。
椅子を指差し
座れ、とでも言うような表情だ。
あそこまでなら
ギリ行ける。
全部、計画的か?
俺は蓮のソバに行った。
椅子を指差してたから座った。
蓮はテーブルに寄り掛かるみたいな体制だ。
蓮が手を上げるり
ビクッと
俺の体は反射的にビクついた。
蓮「そんな怯えんなよ。」
ポンポン
え?
優しい声で優しい手つきで俺の頭を撫でる蓮。
…こんなの…知らない…
俺は多少上目遣いになり
蓮を見た。
どーゆー…つもりだ?
マジでこれ毒入りなの?
蓮「…なんだよ。
俺がお前に優しくしたら、そんなにおかしいか?」
めちゃくちゃ頷く。
蓮「ハハッ。
お前さ、可愛すぎ。」
他の兄妹に向けているような優しい笑顔で
頭をくしゃくしゃに撫でた蓮。
俺が…ずっと
欲しくて
羨ましかった
あの完璧な優しい兄貴の笑顔…
なんで?
俺なんかに向けるんだよ…意味わかんねぇよ…
蓮「今日から、お前は、俺だけの弟なんだから
せいぜい、媚び売れよ?
ほら、飯食ってねぇんだろ?どうせ。
ほらさっさと食え。」
『…はい。
いただきます。』
俺は、弁当を食べた。
腹減って死にそうだった。
蓮はテーブルから離れ、冷蔵庫を開けた。
あれは…水か?
ミネラルウォーターのようなペットボトルを取り出し
コップに注いでいる。
俺は気にせず弁当を食べ終わった。
蓮「ほら飲め。」
…え?
また
俺の為に…注いでくれたのか?
弁当に毒は入ってなかったし…これか?
俺はコップを受け取り
ガン見した。
蓮「毒なんか、入ってねぇよ。
今日はどうせ、ずっと寝てたんだろ?
水分補給は大事だぜ?」
確かに…。
『はい。』
俺は水を飲んだ。
蓮「うまいか?」
『…はい。』
うん、普通の水。
一体何が目的なんだ?
気味が悪い。
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