*雪乃ちゃんと響君とマリモのお話*

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これは、暖かくなってきたある春の日の出来事。 学園の中庭では、二匹の仲良しグリーンマンが甘いおやつを片手にお話をしておりました。 「オカシイよネー」 「オカシイよネー」 二匹は首を振りながら、中庭でスケッチブックを広げて鉛筆を走らせる天使…………のように儚げな少年を見つめています。 「元気ナイよネー」 「元気ナイよネー」 二匹はコショコショと顔を突き合わせ、秘密の相談事です。 「ダレに聞いたらイイのかナー」 「ダレだろうネー。佐野サンは?佐野サンなら怖くナイヨー」 二匹は名案とばかりに飛び上がると、ふわりと消えてしまいました。 「あれ…………?どこかに遊びに行ったのかな…………?」 顔を上げた天使のように綺麗な少年は、首を傾げて優しげな笑みを浮かべ、また鉛筆を走らせ始めました。 「雪ちゃんのタメー。待っててネー」 「待っててネー」
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