418人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
これは、暖かくなってきたある春の日の出来事。
学園の中庭では、二匹の仲良しグリーンマンが甘いおやつを片手にお話をしておりました。
「オカシイよネー」
「オカシイよネー」
二匹は首を振りながら、中庭でスケッチブックを広げて鉛筆を走らせる天使…………のように儚げな少年を見つめています。
「元気ナイよネー」
「元気ナイよネー」
二匹はコショコショと顔を突き合わせ、秘密の相談事です。
「ダレに聞いたらイイのかナー」
「ダレだろうネー。佐野サンは?佐野サンなら怖くナイヨー」
二匹は名案とばかりに飛び上がると、ふわりと消えてしまいました。
「あれ…………?どこかに遊びに行ったのかな…………?」
顔を上げた天使のように綺麗な少年は、首を傾げて優しげな笑みを浮かべ、また鉛筆を走らせ始めました。
「雪ちゃんのタメー。待っててネー」
「待っててネー」
最初のコメントを投稿しよう!