*雪乃ちゃんと響君とマリモのお話*

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****** 「…………はい。はい…………わかりました。では、また後で。失礼します」 朝起きたら、竜也からメールが来ていた。今日の講義は昼からだし、のんびり出来るなとスマホを眺め、その内容に首を傾げる。 …………佐野さんに俺の電話番号を教えた??は?…………何で? 数分後にかかってきた電話によって、俺は久しぶりの学園へ呼び出されていた。 「やあ、望月君久しぶりだね。元気にしている?大学は楽しいかい?」 つい二ヶ月前に卒業したばかりだというのに、何もかもが懐かしいと思うのは何故だろう。 校舎を見上げ、雪乃ちゃんがいる教室を探す。 俺が今ここに来ていると知ったら、驚くだろうか。…………休み時間になったら会いに行こう。驚いて喜ぶ顔が見たい。 ここ最近大学が忙しくて、なかなか雪乃ちゃんに会えていなかったから。今の俺は完全に雪乃ちゃん不足だ。 早く会いたくて仕方がない。 「…………急に呼び出して悪かったね。この子達が、どうしてもって……」 ……………………。は??この子達? 「やほー!望月ー」 「やほー!久しぶりダネー」 …………うん。だろうね。薄々感じてはいたけどね。 上からポテポテと落ちてきたのは、やっぱり相変わらずのマリモだった。
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