十三、大阪六月の陣

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  「今夜は橘屋さんに招待されているからなっ!」 その局長の言葉になんやもう…どないすればええんやろ。 明日の早朝には船に乗って帰らなあかんのやで、局長はん。 上洛しとった将軍が朝廷に帰府を願い出たとはまあ建前で、確実に江戸に帰るやろ… 警護の為に控えておけと京都守護職から直々に沙汰があったと、先ほど京に残っとった副長から文が届いたんや。 二条城から大阪城までの警護やろうから蜻蛉返りになりかねん。 早朝に船にのったかて、帰り着くんは夜。 志桜と帰ったら夜半や…てか帰り着くんか? 芹沢局長ら大阪巡邏組はもう帰ったんやろか? 「橘屋さんって何屋さんなんですか?美味しいものでるかなぁ…」 「おお、志桜くん油問屋だぞ。もてなしてくれるらしいからあるんじゃないか?」 こん二人おんなじ種類の人間や… 「それって俺と志桜も行かんとあかんのやろか?」 どうせなら今夜船に乗ってまいたい…せやったら早朝帰る局長達と同じくらいに辿り着くやろ? …最終手段で担いで帰る手も残っとるがな。 「何を言ってるんだ山崎くん、橘屋さんの御内儀とは幼なじみだと言うじゃないかっ!」 って、よりにもよって琴尾んとこかいなっ!!! *
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