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「今夜は橘屋さんに招待されているからなっ!」
その局長の言葉になんやもう…どないすればええんやろ。
明日の早朝には船に乗って帰らなあかんのやで、局長はん。
上洛しとった将軍が朝廷に帰府を願い出たとはまあ建前で、確実に江戸に帰るやろ…
警護の為に控えておけと京都守護職から直々に沙汰があったと、先ほど京に残っとった副長から文が届いたんや。
二条城から大阪城までの警護やろうから蜻蛉返りになりかねん。
早朝に船にのったかて、帰り着くんは夜。
志桜と帰ったら夜半や…てか帰り着くんか?
芹沢局長ら大阪巡邏組はもう帰ったんやろか?
「橘屋さんって何屋さんなんですか?美味しいものでるかなぁ…」
「おお、志桜くん油問屋だぞ。もてなしてくれるらしいからあるんじゃないか?」
こん二人おんなじ種類の人間や…
「それって俺と志桜も行かんとあかんのやろか?」
どうせなら今夜船に乗ってまいたい…せやったら早朝帰る局長達と同じくらいに辿り着くやろ?
…最終手段で担いで帰る手も残っとるがな。
「何を言ってるんだ山崎くん、橘屋さんの御内儀とは幼なじみだと言うじゃないかっ!」
って、よりにもよって琴尾んとこかいなっ!!!
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