第1章

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「何だよこれ……」 「お、臣君っ、――!!」 駆け寄った私に目もくれず、臣君は目を丸くしたままテレビへと真っ直ぐに進む。 慌てて移動した際に落としたとみられるリモコンや灰皿をテーブルの上に戻しながら 「何で、抜けてんの……」 私が放り出したテレビのコードを手に取り、訝しげにそれをじっと見入る。 「ごめんね、―――。 リモコンが全然効かなくて、焦って引き抜いちゃったの」 だって、―――。 もの凄い音だったよね。 臣君が起きてきたことすら、私、気付かなかったもん。 「びっくりしちゃった……。 音も凄かったけど光も凄かったんだよ。眩しすぎて一瞬、心霊現象かと思っちゃった」 コンセント自体に何も異常が見つけられなかったのか、臣君は金具の先にふーっと息を吹き付け、差込口にゆっくりとそれを差し込んだ。 途端にカタカタと動き出す、複数のレコーダー機器の音。 デジタルの文字が〈PLEASE WAIT〉を表示し、しばらくするとまた時計表示に戻っていく。
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